余は本日も満足じゃ

よこはま四十路ゲイの、しがないライフヒストリー。

0717 残業の話

入社年度が、氷河が溶けて人がダブついてたプチバブルで、最初に配属された部署が、ビジョンもないのに人だけ狩ってきては組織が大きくなったこと満足しているへなちょこメーカーのへなちょこ広報部だったこともあって、同世代からちょっと上の若い子がわんさかいるわりに仕事があるわけでもない。直属の上司たちは良い人たちだったけれど(今でも大好きで交流あります)、自分の仕事は一生懸命やっても部下の育成には無頓着でしたんで(というか今思えばノウハウを持ってなかったのでは)事実上の放置プレイ。いちにちの仕事は、数紙ある業界新聞を熟読しては、弊社に関係ある記事を切り抜きしてスクラップしてタイトルと要約をアクセスのデータベースに入力するだけという毎日が数年間続いていました。

大げさでなく、数年間。社会人のスタートダッシュは、新聞の切り抜きに始まり、新聞の切り抜きに終わりました。

20世紀末から21世紀冒頭の話です。

そんなわけで、会社にいても暇を持て余すだけだし、かといってパーソナリティ的にもお仕事方面でガツガツ何かを開拓できるタイプでもなく、ただひたすら真面目にスクラップして、かかってきた電話は根こそぎ出て(社内外の窓口でしたから電話はけっこうかかってきました、それがなかったら暇で死んでた)、定時を迎える頃には会社にいることにうんざりする毎日。そしていつしか私は、定時退社の鬼となったのでした。

希望して部署も変わって年もとり、それなりに忙しくはなったいまでも、よほどのことがないかぎり、血相変えて業務時間内に仕事を終わらせ、チャイムと同時に会社を出る習性が抜けません。ひとり働き方改革、必要に迫られてではありますが、20世紀から成し遂げていました。

広報という仕事は、事務職のなかでは比較的レアで、また、なりたいと願う人も少なくないので(ちなみにぼくは別に希望したわけでなく。ただ単に、採ったはいいけどやる気も能力も限りなくゼロのこの子をほかに割り当てられる職場がなくて、様子見的に広報預かりにされただけと思う。広報ってそういう職場。)、一時期弊社の採用サイトに「先輩社員」として紹介されたことがあるのだけれど、採用チームが求めるママに「先輩社員のいちにち」のタイムテーブル?を提出したら、人事課長にシュールすぎると怒られた。毎日登場項目が「スクラップ」しかなくて、あとは「情報収集」とか「電話対応」とかそれくらい、平日は連日定時ぴったりに上がって土日の予定だけみっしりしてる若手社員なんて、希望あふれる就活生にはたしかにシュールすぎた。

でもまあ、弊社の人事の可愛い(そして優しい)ところは、シュールすぎるとボヤきながらも、ありのままのタイムテーブルとやる気のない先輩コメントをそのまま載せてくれたところですけど。今はもうみられないけど、魚拓をとっておけばよかった。

その後弊社は、21世紀突入とともに社長も変わり、グローバル大企業(笑)目指して舵を切り、先輩諸氏後輩諸君は否応なくシビアな企業戦士になっていくのだけど、そんななかぼくは、なんだか不思議なご縁で、社内でもずいぶん毛色の異なるのんびりした部署に、異動することになります。

その話はまたいずれ、いや、身バレ必至だから多分しない笑。

今日は、ぼくは昔から残業しません(そのせいでお給料は長年最低水準です)という話でした。?。

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