余は本日も満足じゃ

よこはま四十路ゲイの、しがないライフヒストリー。

0721 ムスメのこと

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ムスメです。

猫を飼うまでは、同居してるケダモノのことをムスメだの息子だのと呼んだりする人のこと、ほんとバカなんじゃないかと思ってたけど、今となってはTPOを選ばずいつでもどこでも、同居のメス猫をムスメ、年長のオス猫を長男、年若いオス猫を次男と呼んではばからないわたしです。

人生とは、すなわち、変節と流転が織りなす綾のことですからね。仕方ないです。

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ムスメは、長男とともに、港区白金の公園でギャン泣きしているところを、心優しい前の飼い主さんに拾われた、生粋のセレブリティです。

眼帯みたいな黒毛がチャームポイントで、ヨワイ16歳?を迎えた今も、常に全力投球でべったりコッテリ甘えてくる、外身は猫で、中身は犬のハイブリッド。長男とぼくにしなだれかかってくることが多いとはいえ、そこに次男かオットしかいなければそれでも構わず彼らにしなだれかかり、自分以外の体温に触れていられればとにかく満足の、世に言う誰専です。

節操がないといえば、確かにそうなんだけれど、わたしはいままで本当に本当の全力の愛情表現というものに、相手が人間でも動物でも触れたことなくて、そして動物と言えども全ての個体が全力でぶつかってくるわけじゃない。現に、オスどもは非常に戦略的に愛情の使い分けを、姑息にもしてくるわけだけれども、彼女は違います。

撫でられるために一目散にぶつかってくるし、抱かれるためなら爪を立て、舐めたくなったら見返りがなくても無我夢中で舐めまくる。移動する先々についてきては濡れた目で見上げてきて愛撫を欲するけれど、でも撫でられなかったからといって別に拗ねずに、違う相手にしなだれかかることで上手に自分の欲望を満たしつつ、相手の意向も尊重します。

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とっちらかった文章ですが、要するに、ものすごく愛情深い生き物なんです、我が家において突出してる。性別で性格の傾向を決めるのはナンセンスかもだけれど、やっぱり生まれついての母性というか、女性性があるのかも、心が広く、根に持たず、あっけらかんとしてるけど、愛情表現に厚さと深さがある。

完璧なるマザーです。

吐くけど。

あと、最近ほとんど鳴かないけど、鳴くと驚くほどのダミ声。たぶん、捨て猫時代にひいた風邪で、声帯がいかれてしまったのだと思うけど。しわがれた声で懸命に鳴く姿は、かわいいと言うより哀れであったが、最近は本当にただの嗄れババアに見えてむしろ声と年とが相応になってきた。

若い頃は完璧だった、猫缶とツナ缶の開ける音の聞き分けも、最近ちょっと苦手になってきた。猫缶開けると台所に飛んでくるのに、ツナ缶開けても1ミリも動かなかったこの子が、最近ツナ缶でもヒョコヒョコキッチンにやってくる。

ごめんねと謝りつつ、見た目はまだまだ若いけど、やっぱりけっこうおばあさんになったんだなって。

ペットを失ったことはまだなくて、でもその日はどう考えてもけこう近づいているけれど、このラブ&ピースでできた細くてあったかくて優しすぎるケダモノが、冷たくなった時、正気を保っていられる気がしない。

そんな存在が、ムスメです。